「運動、体操」
運動は体を鍛えることが目的。
体操は体をゆるめることが目的。
つまり、
準備運動:体を動かし運動機能を高める。
準備体操:深呼吸やストレッチなどをして整え落ち着かせる。
「呼吸」
息を吸うときは交感神経、吐くときは副交感神経と、自律神経のスイッチが切り替わる。
腹式呼吸で、吸う時間を1、吐く時間を2の割合がいい。
伝統的な呼吸法、ヨガとかはこれを使ったもの。
「神経」
交感神経は、体を緊張・集中させる神経。
副交感神経は、体を修復し、リラックスさせる神経。
つまり、息を吸いながら筋肉を縮めると交感神経が働き負荷が大きくなる。
そして息を吐きながら筋肉を伸ばすと副交感神経が働き伸ばしやすい。
「伸張反射」
伸ばそうとすると縮もうとする。
逆に縮まそうとすると伸びようとする。
つまり、伸ばしたければ縮めて、縮めたければ伸ばす。
「遅筋と速筋」
筋繊維の太さ 遅筋:細い、速筋:太い
収縮の早さ 遅筋:遅い、速筋:速い
色 遅筋:赤色、速筋:白色
疲れやすさ 遅筋:疲れにくい、速筋:疲れやすい
消費エネルギー 遅筋:脂肪、速筋:糖・グリコーゲン
つまり、呼吸を止めずにゆっくり動いて鍛えると遅筋を使い、脂肪を燃焼しやすく疲れにくい体になる。
「ストレッチの適切な強度」
「痛みを感じない程度に一番伸ばした状態」と「その一番伸ばした状態の80%伸ばした状態」がほぼ同じという実験結果がある。
だから「痛みが出ないのを原則に、一番伸びた状態から80%」がストレッチの適切な強度。
筋肉が震えたり、痛みを感じるまでやるとオーバーストレッチとなり、
伸展反射を引き起こし、過度になると筋の損傷まで招いてしまう。
つまり「痛みを感じない、自然な呼吸ができる程度」で、時間は「長時間」が効果的。
「動脈と静脈」
動脈血は心臓が脈動することで押し出され、
静脈血は心臓の収縮、骨格筋ポンプ(筋肉の運動)、呼吸ポンプ(横隔膜の運動=腹式呼吸)によって流れる
つまり、体を動かさないと血液は帰ってきにくい。
個人的な感想。
ヨガ
呼吸を意識する。動きを止める。ストレッチする。
呼吸を意識する。遅い動き(遅筋を使う)。体を動かす。
気を意識する。遅い動き(遅筋を使う)。筋肉を鍛える。
気功体操
気を意識する。遅い動き(遅筋を使う)。筋肉を緩める。
ストレッチ
筋肉を意識する。動きを止める。筋肉を伸ばす。
ラジオ体操
動きを意識する。速い動き(速筋を使う)。体を動かす。
カービィダンス
動きを意識する。速い動き(速筋を使う)。体を動かす。
いずれもが体系化されたものであり、伝承が可能。
幾度と無く繰り返された結果、最適な効率を求めた「型」の集大成。
大きく分けて「筋肉を動かす」のか「筋肉を伸ばす」のかの違いだと思う。
どちらが良いというのはない。どちらもいい。
以前の記事「自分でできる体操集」にも似たようなことを書いた。
体を動かすということは筋肉を動かすということであり、
骨格筋ポンプをすることになり血流アップになる。
早く動かす運動とゆっくり動かすのとでは、速筋と遅筋の使い分けになる。
昔習ったアキレス腱伸ばし、
反動をつけて何回か動かすのは、筋肉のポンプ運動といった意味ではいいが、ストレッチには向かない。
ストレッチは8割の伸びを呼吸を止めずに長時間持続する方がいい。
現代社会はストレス社会。
ストレスが続くと交感神経過多で、緊張状態が続き、筋肉が萎縮してしまう。
そんな体にはヨガのようなストレッチ効果のある体操もいい。
同じ姿勢が多くほとんど動きの無い人や、同じ動きばかりする人は、
ラジオ体操のような、全身の筋肉の収縮と伸張を繰り返す運動もいい。
ダイエットをしたい人は、
脂肪を消費エネルギーとして動く遅筋をよく使う太極拳なんかがいいのでは。
健康を持続するには体を動かすこと。
効率よく動かすための方法がそれぞれの運動・体操。
まずは基本の歩くこと。