1929年(昭和4年)に発表された小説
青空文庫の「おすすめ50」で2位なのが目についた。
以前、再脚光を浴びたのをうろ覚えしていて興味が沸いた。
読んでみると、やはり昔の小説は頭に映像が浮かびにくく思うように進まない。
それでも「なぜ再脚光を浴びたのか」が気になって何とか読み終えた。
他にもネットには「蟹工船」が書かれた頃とブームとなった2008年頃の情勢がほとんど変わらないからではないか、ということが書いてあった。
それらに関して気になった箇所が2か所。
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「殺されるッて分かったら?馬鹿ア、何時だ、それア。―今、殺されているんでねえか。小刻みによ。彼奴等はな、上手なんだ。
<中略>
目的は―本当の目的は、俺達をウンと働かせて、締木にかけて、ギイギイ搾り上げて、しこたま儲けることなんだ。そいつを今俺達は毎日やられてるんだ。
諸君、第二にも力を合わせることだ。落伍者を一人も出さないということだ。
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作中にもある「赤化」に希望を見る人が出てもおかしくないなと思った。
赤化
共産主義とは、政治や経済分野での思想や理論、運動、政治体制のひとつ、財産の一部または全部を共同所有することで平等な社会をめざす。
それはなぜか?
共産主義を掲げた人たちが行った過去の行為を思い出すのか、
はたまた、
それを悪として取り締まった時代の空気感を思い出すのか。
どちらにしても、誰かが得をするために、誰かを虐げる。
又は、自分が得をするなら、他の誰が落ちても構わない。
そんな時代はよくないよね。
ということを言いたい作品だと思った。