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面白いほどよくわかる 世界の宗教/宗教の世界 本

面白いほどよくわかる 世界の宗教/宗教の世界
ひろ さちや(著)

メチャメチャ面白かった!
以前からずーっとあったこれらのモヤモヤが全てスッキリした。

1、なぜ世界にこれだけ多くの宗教があるのか?
2、宗教の種類、それぞれの生い立ち。
3、神様はどれだけの数いるのか?
4、日本神話やギリシャ神話に出てくる神様と宗教の神様は何か違う。
5、なぜ宗教間で争うのか?



1、なぜ世界にこれだけ多くの宗教があるのか?

まず預言者とは、
「自己の思想やおもわくによらず、霊感により啓示された神意 (託宣) を伝達し、あるいは解釈して神と人とを仲介する者。」Wikipediaより

未来を予言する予言者とは違う者であり、この預言者が多いから宗教の数も多いんだと思った。

この宇宙を作った、色んな宗教で言う所の神様が預言者に言葉を伝える。
その預言者が言った物を、また人の手によって言ったり書いたりして伝えていったもの。
そうしてできた宗教がいくつかあるのがわかった。


キリスト教ではイエスが神様からのメッセージを、仏教では釈迦が仏様からのメッセージを人間に伝えた。

預言者も人間。
その人の感性によって捉え方も言い方も変わってくるやろう。

そしてそれを聞いて伝えたのもまた人間。
伝言ゲームする内に少しずつ違うものが出来上がっていった。ってのが宗教の違いなんだと思う。

本では気候の違いによってインド風か日本風のカレーの好みも変わるという実験も紹介されていた。
時代や気候や文化によっても伝わり方が変わるんやろう。

神様の言葉は一つでも解釈する人間によって内容が変わってくる。
そのことをこの本では「誤解」と言っている。



2、宗教の種類、それぞれの生い立ち。

これは本に詳しく書いてある。
歴史を知って面白いと思ったのは始めて。



3、神様はどれだけの数いるのか?

神様は一柱・二柱というように、 柱(はしら)と数えるらしい。
で、神様は何柱いてるんやろう?

ユダヤ教唯一神「ヤーウェ」
キリスト教「GOD」
ヒンドゥー教「三十三神」
日本「八百万の神々」


これはヒンドゥー教の三神一体説がわかりやすかった。
一つの神の三つの働き(側面)

つまり神様は一柱のみで宗教によって呼び方が違う。
そして色んな側面をお持ちやから色んな役割も果たしている。

だから宇宙神というのか絶対神というのか創造神というのか唯一神、そういう存在は一柱。



4、日本神話やギリシャ神話に出てくる神様と宗教の神様は何か違う。

ギリシャ神話に関してはあんまり書いてなかったけど、日本神話に出てくる神様達は「すごい人達」らしい。霊力を持った人や霊力自体も神様と呼んでた。

つまり今で言う霊能者やオリンピック選手なんかの類かな。
普通の人とは違う、すごい人たち。

現代も神様は多い。
神対応なんかよく聞く。

すごい「人間」を神と呼んだ。
それなら納得できる。

釈迦という名前の人間だったけど、真理に目覚めて仏陀と呼ばれ、大乗仏教ができたときに如来として人間ではない状態にした。

エスのことを、
犯罪者として処刑したのがユダヤ教
神の子=神として崇拝するのがキリスト教
預言者として見るのがイスラム教。



5、なぜ宗教間で争うのか?

これは一言で言うなら「人間だから」
預言者の違いによって教えの違う宗教が生まれる。
それを信じる人間同士が争っている。

これはロヒンギャ問題に関してアウン・サン・スー・チーさんが言った言葉がしっくりくる
「この問題は歴史的に根が深く、発足一年半の政権にすぐに解決できるようなことではありません」


しかし解決策は宗教の教えの中の「隣人」にあると思う。
つまり「隣人の幅を広げる」ではないやろうか。


宇宙の子マサという人がいる。
日本から始めて今は世界の海のゴミを拾って、それをSNSを使い生計を立てている。

親でもなく、市町村でもなく、都道府県でも、日本でもアジアでも地球でも銀河でもなく、宇宙の子。
ここまで隣人の幅を広げることができたら、争いはなくなるはず。



他に面白いと思った内容のメモ。


ユダヤ人にとっての神は、異教徒からすれば悪魔になる。どうすればいいか?
ただわれわれにできることは、現代という状況のなかで、そもそも宗教と民族・国家といった関係はどうあるべきかを考えてみることです。

ユダヤ人は律法を実践することによって自らのアイデンティティーを保つことができた。
と同時に、それによって迫害も受けた。
しかし、迫害を受けながら逆にそれによってユダヤ人としての矜持を保つこともできた。
ユダヤ教がなければユダヤ人は滅んでいたかも知れない。

羊が100匹いたとして、1匹はぐれた時どうするか?
探しに行かずに99匹という集団の利益・安全を考えるのが政治。
1匹を探しに行く、救いが宗教。

葬式仏教に関しても納得。

ホンモノ宗教
ニセモノ
インチキ
オドカシ



宗教の定義は、宗教学者の数だけある。

宗教学教授ティーレ「宗教とは、神と人との関係である」

ドイツの言語学者マクス・ミュラー「無限なるものを認知する心の能力」

ドイツの神学者、哲学者シュライエルマッハー「ひたすらなる依存感情」

著者「宗教とは、人間に人間らしい生き方を教えるもの」

近世インドの宗教家カビール「宗教の違いは、単なる神を呼ぶ名前の違いにすぎない。誰でも同じ神に祈っているのである」

宗教と少し違うけど。
師匠「信仰とは自分の気持ちを安定させること。信仰心とは変わらない物を見つけること」

俺「宗教とは、信じる心を養うための智恵」であって欲しい。



こんな例が載ってた。

その年に合格してたらイジメにあって自殺したかもしれない。
一年浪人したら運命の恋人に会ったかもしれない。
受験に落ちたほうがよかったのなら合格しなかったこともよかった。

と信じることができたとき、人は「救われた」と思うのでは。
落ち込まずに心が安定する。

その為には、何があっても「これでよかった」と信じられることが大切。

そういった役割を果たせるなら、宗教はあった方がいい。