あっ草花

草や花からも気づきを得られる、そんな境地を目指して

空海 本

空海

松長 有慶/著


たしか図書館のネット検索「新着資料」で出てきた一冊。
その次の日やったかな?新聞でも広告が出ているのを見て気になって借りた。


空海の考え方などがよくわかる内容。
学術書のように、ものすごく調べて書かれた本やった。

 


空海の文章を引用している箇所がいくつもあるんやけど、翻訳も載せてくれているのが助かった。

 

それに、


62ページ
世界は宇宙の真理の象徴である五種の物質原理と、敷という精神原理が混じり合い混然とした融合体である。


こんな感じで難しい文章もあるんやけど、


つまり物と心は別個の存在ではなく、互いに融合し、一体となっていると主張する。


という感じにわかりやすい言葉で捕捉してくれている。


そして、


日本語で「もの」は物でもあり、者でもある。
<中略>
そういえば日本語の「勿体ない」は、いのちをもつ物の本体の価値を見失った粗末な取り扱いを惜しむことを意味している。


と、作者の考え方もわかりやすい言葉で書かれていて非常に読みやすかった。

 


73ページ
密教の考え方の基盤には、存在するものすべては、何らかの欠点をもつとともに、たといわずかであっても他者がもたない、独自の長所を具えもつという見解がどっかと居座っている。


ここを読んですぐに思い出したのは「ハリーポッター
続いて「エヴァンゲリオン」と「ワンピース」
どれも、登場人物に欠点を持たせることによって人間味が増して、キャラクターや物語に深みが出ていると感じる作品たち。

 


96ページに密教の意味が書いていた。
これが一番知りたかったことであり、納得できたところやった。


密教とは、秘密仏教を略した言葉である。
<中略>
しかし密教では、何も惜しくて隠しているのではない。
じつは、すべて公開されている。
<中略>(ここに意味が書かれていた)
だから秘密になっているに過ぎない。


ネタばれになるから重要なところは書かないでおいた。


全部で十章。
俺にしては珍しく、寝る前に毎日、ほぼ一章ずつ読めた。

あまりに眠くて「八章」だけ二日に分けたから合計11日で読み終えた。