あっ草花

草や花からも気づきを得られる、そんな境地を目指して

差別

今、読んでいる本に昔の車の排気ガス問題やイタイイタイ病のことが出てきた。

そして7/9、
国立天文台が、民間の人工衛星が多すぎて天体観測に悪影響が出ると懸念する声明を出した。
いうニュースを見た。

いずれも企業が先行して国の対策が遅れた結果故の問題。
いや、これらは倫理観のない企業の儲け主義がもたらした弊害か。

後先考えない企業と被害を受ける国民、それを国がどこまで賠償するか。
似たような問題、歴史は繰り返されると思っていた。

そして、



7/10読売新聞の一面
ハンセン病 家族にも賠償

扱いが大きく、ヤフーニュースにもかなり出てきたけど、詳しく知らなかったから読もうと思った。
企業は出てこないけど、これも被害を受けた国民と国がどこまで賠償するかという問題。

気になったのは、家族にも賠償するということと、時効の起算点。

やおいにあたる人たちもいたという。
という記事を読んで、本当に「”国の責任”で孫やおいまで差別を受けたのか?」が気になった。
しかし、確認しようがない。

そんな中の原告団の笑顔の写真。
「お金が貰えるわぁ」と喜んでいるように見えた。

差別を受けた人が裁判に勝った時、喜ぶとしたら「自尊」に関してではないやろうか。
だから勝訴になったら「今まで我慢してきたけど、努力が報われた」という笑顔になるのでは。

俺が捻くれ過ぎているのか、どうもそういう笑顔には見えなかった。

もし俺が「国のせいで迫害されて生きてきた。だから国を訴える」となり、「勝訴」となったら、国が認めて謝罪してくれたからそれでいい。
と、ならないかな・・・。



時効について。

民法は、不法行為による賠償請求権について、加害者と損害を知った時から3年で権利が消滅する「消滅時効」を定めている。

過去の人たちが、試行錯誤を繰り返して作成された民法
つまり皆で決めたことを覆してまで、国を訴える。
その姿勢は完全に執着。

今回を「異例」としながらも、今回のことが認められたら、いつまででも、(血縁関係の)どこまででも請求できてしまう。
ここが一番う~んとなった。

しかしその後、このサイトを見た。


この2ページ目。

国の政策によって、患者は行動住居、職業選択、学問、結婚の自由などありとあらゆる人間としての権利を奪われたのです。強制収容や消毒のやり方は、患者や家族の人権に全く配慮しない、見せしめ的な形で行われました。そのことで周囲の恐怖心を あおり、患者家族への社会的差別を決定づけました。多くの患者は、家族に差別が及ばないように との配慮から、強制隔離後も自らの存在をひた隠しにするようになりました。死んだことになっている患者も少なくありません。

現在でも多くの患者が帰る故郷を失い、肉親との再会を果せずにいます。
こうしてハンセン病患者は、社会に害毒を巻き散らす危険な存在というレッテルを貼られ、その後長年にわたり家族を含めて激しい社会的差別に遭うことになりました。


これを読んで、体験もせず、よく知らない人間がアレコレ言うべきではないと思った。

やはりここは首相の言う通り「筆舌に尽くしがたい経験をされたご家族の苦労を、これ以上長引かせるわけにはいかない。」これに尽きる。
選挙前という時期的なこともあったにせよ、これでよかったと思う。

笑顔の写真を見た時の違和感の正体は、俺の無知から来る差別の心だったのかも知れない。