あっ草花

草や花からも気づきを得られる、そんな境地を目指して

愚痴

よく来てくれている80代女性。
一時イライラが減ったのに、最近またイライラするようになった。

イライラするから膝が痛くなる。
それはお伝えしてから自覚できるようになった。

だからイライラしないように何度か対応策はお伝えしていたけど、中々身につかなかった。
で、昨日の帰る時「(イライラしないために)どうしたらいいですか?」と聞いてきた。

前は「相手を許すのです」と言ったけど「許せない」とのことやった。
だからその後「こういう人もいるんだな、と前向きに諦めるのです」と言ったけど、これもできないみたい。

今までは俺が一方的に「教えていた」感じかな。
けど今回は「本人が希望している」のが見えた。

だから「今までよりなんとかしたい気持ちが強いのでは」と思い、今までと違う言い方を考えてみた。



参考にしたのが師匠。
師匠は指示はしない。
あくまで本人がしたくなるような事を言ってくれる。

自らの意思で動いた結果、対人関係がよくなるようなこと。
例えば、協会の人たちはスピリチュアルが好き。
師匠は神頼みは推奨してないけど、「どこどこの神社は〇〇の神様だからもし参拝に行くなら、自分はこうしますと宣言する。それと神様を労う気持ちで参拝するといいですよ」といった感じ。
外に出た結果、人と接する機会が増えたり、エピソードトークが増えて人との話が盛り上がったりを期待してのことだと思う。

神社に参拝したからいいことがある、ではなく、その前後の自分の言動が周辺環境を変えていく、といった意味だと思う。

なかなか師匠のようなことは出てこなかったけど「未来を断定する」と「師匠の、自分の意思で動けるような言葉」を心がけて考えてみた。



今までは消火活動をしていた。
イライラすることが起こって、それを鎮めるように努力していた。

これからは予防。
火事が起こらないようにする。


そのためにはどうなりたいか?
たぶん、「相手に〇〇して欲しい」ではないか?
それならば、「人を変えるために必要な事」として「自分がやめた方がいいことをやめる。した方がいいことをする」を提案する。
(本当は「他人は変えられない、変えられるのは自分だけ」と言いたいけどそれだと拒絶されそう。)


しかし感情に支配されてるからそれも難しいのではないか。
実際今まで提案してことはなかなかできない。

だからその「なぜ難しいか?」を説明する。
それは今まで自分の感情をコントロールしようとして来なかったから。

だからこれからは「自分の感情は自分でコントロールする」と決める。
これで意志を持たせる。



感情をコントロールする練習の、やめる方。
「愚痴をやめる」

108つある煩悩の中でも、特に大きなものを「三毒の煩悩」という。
貪欲(とんよく)、非常に欲が深いこと。
瞋恚(しんに)、怒り。
愚痴(ぐち)、(今となっては)言ってもしかたがない事を、言っては嘆くこと。


愚痴をやめるための考え方-1。

相手がマイナスな言動をしたとする。
その時、自分の中に「もっとこうしたらいいのに」というプラスの考えが浮かんでくる。
それをそのまま後になっても言い続けるのを愚痴。

その考えは、相手がいないと思い浮かばなかったはずの「気づき」
だから「自分の成長に繋がりました。ありがとう」と思う。

もし日本中、世界中が〇〇さんしかいなかったら?
「もっとこうしたらいいのに」というプラスの発想は出てくるやろうか?
多様性に感謝する。



愚痴をやめるための考え方-2。

悩みを問題に変える。
悩みは堂々巡り。同じことを考え続ける。
でも問題だと答えがある。

悩みを問題に変える方法は素直に希望を言う。

例えばヘルパーさんの件。
11時に来て11時45分まで仕事するはずやった。
でもある時から10時45分くらいに来て11時15分くらいに帰るようになった。

それを俺に言う時、「私はいいんやけどね」と言った後で「私の所に早く来て早く帰るという事は他の所でもしてるということでしょ?」とのこと。
俺が「それは言った方がいい」というと、「他の人のために」と言って「ケアマネさんに言うわ」と言っていた。
素直じゃない。

「早く来て早く帰る」だけ言い続けると悩み。
それは契約上してはいけないと言って解決策を提示したらその時点で問題に変わる。
そのために、どうしたいかの「希望」が必要。

愚痴をやめるには悩みを問題に変える。
その為に、素直に希望を言う。



そしてする方。
その練習が「自分から声をかける」
特に「おはよう」と「ありがとう」

挨拶してこない男の子、「私はお客、挨拶はスタッフからするべきだ」をやめて、自分から「おはよう」と言えば挨拶したことになる。
名前を名乗らなかった女の子、「スタッフから名乗るべきだ」をやめて、自分から名前を聞いていたら名前は教えてもらえた。
火傷した時、その場で「火傷したかも」って言っていたら、相手は謝って来て次から気を付けたはず。「言わなければわからない」は、相手も同じ。
シルバーの人、「私はお客、連絡は相手からするべきだ」をやめて、自分から電話してたら悶々とする期間が長引かなかった。


自分が愚痴をやめて、感謝の言葉を言うことによって相手が変わる。
するとイライラすることも起きなくなる。



と思ったけど、思惑とは全然違う結果に。

はじめに前回本人さんが言った「どうしたらいいですか?」と言われたのを覚えていますか?
と聞いたけど一瞬出てこなかった。
説明すると「ほな、もう関係ないって突っぱねたらいいんでしょ」とのこと。

「嫌な相手は無視していく」とのこと。
そっから怒涛の愚痴が始まった。
今までの愚痴総ざらい。
完全に地雷を踏んだ感じ。


やっと落ち着いた所で「それだけ思い出して余計腹立たないんですか?」という質問をした。
しかし、質問した意味も理解せず、「足が痛くない」ということで愚痴、続行。

途中、少し強引気味に話しに割って入って「今日は愚痴すごいですよ」と言うと笑ってた。
そしてそのスキに煩悩の話をした。
「愚痴をなくすために、ちょうど年末ってのもありますし、来年からの目標を立てましょうか?」

「目標いらない。今85歳。母は88歳で死んだ、それくらいでいい。あとは死ぬだけ」

「やはりこの年齢では変われないか」諦めかけたけど帰る時、
「昔、田舎でご主人さんの家族からよくしてもらった」という話を聞いた。
「そういうお話をもっと聞きたいです」
俺は「明るい話をもっと聞きたい」というつもりで言ったのに
「そうかわかった。じゃ次、田舎の話するね。そしてね・・・。」と言って、最後は愚痴を言って帰った。