あっ草花

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許せないという病 本

許せないという病
片田 珠美


第1章 他人を許せなくて悩んでいる人たち
第2章 なぜ「許せない」のか?
第3章 「許せない」を引きずる人の特徴
第4章 「許せない」という病から抜け出すための四つのステップ
第5章 「許せない」自分を許すために


1章は事例、2章で理由。
3章は特徴で4章と5章で許すための方法かと思いきや。

本はまあまあ。
でも読んでよかった。



「許しを乞わない相手なんか許せない?」
この項目はなるほどと思った。

「心」を傷つけた人を、「体」を傷つけた人に置き換える。

例えば、
Aさんから何か言われてそれに腹が立って、Aさんが許せなくなった。
Aさんが謝ってきたら許す、かも知れないけど謝ってこないのに許せない。

そんな時にこの例え。

強盗がナイフで切りつけてきて、体から血が出た。
傷が浅ければ自分で応急処置はできるけど、傷が深ければ救急車や人の助けが必要。
傷を治してくれるのは強盗ではない。

心も同じ。
傷を作った相手に治療を求めても応じるはずがない。
だから謝って来ないから許さない、は貫いても意味はない。

この例えはお客さんにも使える。



著者は精神科医だけあって取り扱った事例は多いのやろう。
それに偉人の言葉が出てきたり、パターン分けが載っていたりで、勉強してるのはわかるけど。

「けど」が付く。
肝腎のところで「えー」となった。


事例と解決方法を別の章に分けていた。
だから、解決方法の章でまた1章に出てきた事例を出すことになった。
俺としては、「事例」→「理由・特徴」→「解決方法」を章ごとではなく、事例ごとにして欲しかった。

でも分けた理由がなんとなくわかった。
”解決方法”
「方法」はあるけど、「解決」しないんじゃないかなと思う。


例えばBさんがこういう理由でイライラがありました。
だからこういうことを言いました。してもらいました。
すると治りました。

と、ならなかったんやろう。
だから書けなかったのでは。


それを一番表していたのが、

第4章 「許せない」という病から抜け出すための四つのステップ

第1ステップ 自分の傷つきを認識する
第2ステップ 怒りを受け入れ
第3ステップ 相手を理解したうえで許す
第4ステップ 「許せない」関係にけりをつける


これを患者さんに伝えて、返事で多いのが第3ステップに行けない人。
つまり相手を理解できない人が多いとのこと。

その場合は、
まだその段階に達していないのだから、もうしばらく怒りと向き合うほうがいいだろう。

そして第4ステップの答えも
許さずとも「どうでもいいと思う」ようにする。


どちらも、それをするためにはどうしたらいいのか?が知りたかったのに。
時間に任せる。又は気を紛らわせる。

つまり「許せない」を「許す」に変えることを諦める。

それくらい「許せない人」を導くのは大変ってことなんやろう。



ここまで本の内容としてまとめてフト思った。

症例が多かった。しかも内容が細かく書いていた。
ということは、それだけ色んな人の話をしっかり聞いたということやろう。

患者さんは、お医者さんに細かいことまで話して少しは気が楽になったのでは?


周りから何を言われても「それは無理」という人は、自分で気づくしかない。
いくら段階を踏んだ方法論を伝えても、偉人の言葉を紹介しても、怒り真っ最中の人には届かない。

自分でしゃべっている内に自分で気づく人もいるし、周りにできるのは話を聞くことくらいなのではないかと思った。


先に進むためには自分で気づく必要がある。
自分で気づくための方法の一つが瞑想。

これで落ち着いた。
ここまで来て「この本を読んでよかった」と思った。



本にはこんなことも書いていた。
青色発光ダイオードを開発した中村修二さんの研究の原動力は「アンガー(怒り)だ。今もときどき怒り、それがやる気になっている」

俺も一時そうやったけど「怒り」は原動力になる。
自分の身体や他人を傷つけないよう、怒りのパワーを違う方向に転換できればすごい力に変わるはず。


他によかった解決方法。

「相手を許せない自分」を許す。

「許せない人がいる」という人が他にもいるということを知る。
(こんなに怒っているのが自分一人ではないと知る)


何かで見た。

男性は解決したい。
女性はただ話を聞いてほしい。
だから男女の話は噛み合わない。


「リーダーシップからフォロワーシップへ」の本にも「正論は、人を傷つけやすい」と書いてあった。
怒っている人に対して言う言葉はあまり無い気がしてきた。


お客さんに「何て言ったらいいのかな?」と思ってこういう関係の本を読み始めたけど、ようやくまとめることができそう。