あっ草花

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漫画やアニメは日本の文化

7/9「文化と娯楽」の中で「漫画は文化」が理解できないと書いた。

 

理解できないからその後も「文化」という言葉を考えていた。

だからやろう、最近「文化」という言葉をよく見る。

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ブランド名「キモノ」が物議をかもしたキム・カーダシアン、新名称を発表
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190827-00010001-huffpost-int
様々な検討の結果、『SKIMS』という名前でブランドを立ち上げることを、ここに発表します
「KIMONO」が日本の「着物」を想起させる上、「KIMONO」の名称を商標登録出願していたため、「文化の盗用では」と物議をかもした。
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「着物」が日本の文化として世界的に認められているという話。

 

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世界に誇る「コミックス文化」誕生の鍵となった作品とは
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190813-00575176-shincho-ent
日本が世界に誇る文化の一つが、マンガであることはすでに誰もが知るところだろう。
ここで言う「コミックス」とはマンガと同義ではない。
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「マンガと同義ではない」と書きながら、漫画は文化と書いている。
つまり、コミックも漫画も両方「日本の文化」だと言いたいんやろう。


なぜ漫画に「文化」という言葉を使うのか? 

「文化」という言葉の定義を考えた時、「自分は間違ってない」と思っても、「世間で認知されている事実」には敵わない。


そこで今回は「漫画は日本の文化」という言葉が正しい、という前提で考えなおすことにした。

 

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文化
1 人間の生活様式の全体。人類がみずからの手で築き上げてきた有形・無形の成果の総体。それぞれの民族・地域・社会に固有の文化があり、学習によって伝習されるとともに、相互の交流によって発展してきた。

2 1のうち、特に、哲学・芸術・科学・宗教などの精神的活動、およびその所産。物質的所産は文明とよび、文化と区別される。

3 世の中が開けて生活内容が高まること。文明開化。多く他の語の上に付いて、便利・モダン・新式などの意を表す。

「文化」は民族や社会の風習・伝統・思考方法・価値観などの総称で、世代を通じて伝承されていくものを意味する。

goo国語辞書より
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まず他との違いを考えた。


将棋は?

文化を「築き上げてきた生活」と考えれば歴史が大切。

将棋の歴史は漫画より古いのでは?


将棋の起源は、古代インドのチャトランガというゲームにあるという説が最有力です。
日本将棋連盟より

 

日本では1058年と書かれた木簡(駒)が見つかっている。

これに対して、漫画の歴史。

 

滑稽な絵という意味での「漫画」は、平安時代の絵巻物・『鳥獣人物戯画鳥獣戯画)』が日本最古であると言われている
Wikipediaより

 

鳥獣人物戯画は、12世紀 - 13世紀の物らしいので、西暦1101年から西暦1300年までの間。
ということは、将棋の方が古そう。

 

でも将棋は娯楽に分類されている。
それは将棋がゲームだからやろう。 

 

将棋はルールが決まっている。
そこに変更の余地はない。

だから将棋自体には感性も情緒もない。

将棋をする人の生活が日本文化に染まった生活であったとしても、それが将棋を文化たらしめる要素にはならない。

 

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今のテレビゲームは完全に娯楽やな。

ゲームはデジタル。
漫画(アニメ・コミック)はアナログ。
アナログには繊細さがあり、デジタルに味はない。

 

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では小説は?
「発想力」と言った意味では漫画と共通して、繊細さのある「築き上げてきた有形・無形の成果の総体」だと思う。

しかし、村上春樹が期待され、カズオ・イシグロが2017年に受賞したのは「ノーベル文学賞

 

文学は、言葉(口頭または文字)によるコミュニケーションのうち、言語のあらゆる力を活用して受け手への効果を増大させようとするものとして定義される。
Wikipediaより

 

文学は文化の一部であり、文化といえば、服飾や食、建築などがある。

ということは、「小説は日本の文化だ」と言ってもよさそうなのに、小説は文学として表現される。

つまり「小説は文学」という言い方が定着してしまっている。
だから敢えて言わない。

それともしかしたら「言葉の壁」があるのかも。

漫画も翻訳はするが、「絵」だけでも伝わる物がある。

 

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他との違いを考えてもどうもピンとこない。

そこで、「小説は言わないのに、なぜ漫画だけ文化だと敢えて言うのか?」を考えた。

 

漫画は世界に人気があるから?
村上春樹も日本のゲームも世界的に人気があるからこれではない。


世界に影響を与えた?

これでピンときた。

 

大友克洋攻殻機動隊宮崎駿ドラゴンボールNARUTO-ナルト-などなど。
「世界に影響を与えた」日本のアニメや漫画は多い。
ということは、アニメや漫画を使って「日本独自」を発信したいのでは?

 

「日本人の感性」を世界に誇りたい。

しかし「日本人の感性は文化」という精神論ではわかりずらい。
そこで「日本人の感性」を物質化した、形にした作品が「アニメや漫画」

 

みんなが薄々「日本の漫画はすごい」と思っていた。
そして誰かが「漫画は日本の文化」と言った。
それに多くの人が賛同した。
だから広まった。

 

こんな感じでまとめていたら、8/28読売新聞に今回の答えが載っていた。

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京アニ事件で亡くなられた池田さんという方の2010年の取材コメント。

「緻密な作業が求められるアニメ制作は日本人に向いている。作品に日本文化を詰め込み、日本人として培われた感性が、海外での評価につながっていればうれしい」
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こういった方達の努力の結果、世界的に日本のアニメや漫画が認められた。
つまり、漫画やアニメには「日本の文化である」と誇れる要素が詰まっている。

 

文化
1 人間の生活様式の全体。

 

だからこれからは俺も「日本の漫画やアニメは、世界に誇れる日本の文化である」と言おうと思う。