あっ草花

草や花からも気づきを得られる、そんな境地を目指して

緒方洪庵

ゆかりの地を巡る前に調べていた時、緒方洪庵がドイツの医学者フーフェラントの医学書を訳した教え「扶氏医戒之略」を見つけた


原文はここ

緒方洪庵抄訳扶氏医戒


現代語訳は色んな人がしている
参考にしたのが

医学を志す人の為の戒め 教科書に載らない歴史上の人物 28 緒方洪庵4 – 羅針塾|長崎市総合学習塾


せっかくやから自分なりの現代語訳を書いた

 

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一、利他心で生き、利己心に走らないことを医業の規範とする
楽な道を選ばず名誉や利益を求めず、ただ自分を捨てて人を救うことだけを求めるべし
人の病気の回復と疾患の苦しみの寛解を追求すること以外何もない


二、病人を診る時は病気だけを診るべきで、お金を持っているかどうかは考えないことである
お金と感激で流す涙とを比べてはいけない
このことを深く思うべき


三、医術を扱うのは病人のためだけであるべきで、けっして目的として利用すべきではない
考えは偏らず、かといって安易に色々試すのでもなく、患者を細かなところまでよく診るべきである


四、学術の研究以外にも、病人から信用されるためには言動にも注意を払う必要がある
かといって流行りの服を着、詭弁を使って出世しようとすることは大いに恥である


五、病人を訪問する時は、いい加減な気持ちで何回も通うより、一回に全神経を集中させる必要がある
威張ったり、診察することを拒んだりすることはあってはならない


六、治る見込みがなくても、少しでも病状が回復するように、少なくとも悪化することのないように努めることが医者の職務である
諦めることは人としてあってはならない
たとえ救えなくても言葉をかけるだけでも患者の心は穏やかになる
ほんの一瞬であっても延命のために最善を尽くすべきである
絶対余命を伝えてはいけないし、死期が近いことを悟られてもいけない


七、病人の懐事情にも配慮が必要である
医療費のせいで回復後の生活が苦しくなるのはよくない
貧しい人に対してはそういう心配りも必要である


八、世間の人々から好意を得ることも必要である
知識が豊富で自分に厳しくしていても、世間の人から信頼を得られなければ医療を行えない
また世間のことや人情について広く把握しなければならない
患者にしてみたら体と命を預けるのだから、常に誠実で温厚で口数少なくいるべきである
もちろん、博打やお酒、異性におぼれたり、利益を貪らないのは言うまでもない


九、同業の人には敬意を払い、褒め称えるべきである
たとえそうできない人物であっても努力が必要である
決して他人を批判したり裁いたりしてはいけない
人の短所を指摘するのは人徳の無い人の証である
それぞれ自分達で会得した流派があるのでそれを論じるのは良くない
先輩は尊重し、後輩は褒めるのがいい
もし誰かが別の人の診断の当否をしたなら、できるだけ良いところだけを取り上げるべきである
人の治療の当否は可能な限り判断しないことである


十、昼間の診察の様子を夜に再考して更に細かく調べてメモをする、ということを毎晩自分に課題するべきである
それを積み重ねて本にすれば自分のためにも、他の人のためにも役に立つ


十一、治療に関する相談をする相手は少ない方がいい
よく人を選び多くても3人までにするべきである
相談内容も病気のことだけにし、関係のないことには心を割かず、言い争いをしないようにすること


十二、セカンドドクターに選ばれたとしても、安易に受けるべきではない
まずは以前かかっていた医者の説明を聞いてからでないと治療すべきではない
とはいえ、仮に以前の診察が誤診であった場合、それを無視することはあってはならない
特に年配の方の病気の場合、迷って治療が遅れることがあってはならない


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特に「一と五と十」が響いた


一、ただ自分を捨てて人を救うことだけを求めるべし
五、病人を訪問する時は一回に全神経を集中させる必要がある
十、昼間の診察の様子を夜に再考して更に細かく調べてメモをする、ということを毎晩自分に課題するべきである


更に、これらを一つの四字熟語でまとめた


一意専心
他に心を動かされず、ひたすら一つのことに心を集中すること。
goo辞書より


さぁ頑張ろう!