あっ草花

草や花からも気づきを得られる、そんな境地を目指して

国家の品格 本

The Dignity of the Nation【日英対訳】 (対訳ニッポン双書) 
藤原 正彦 (著), ジャイルズ・マリー (翻訳)

P.160
私は愛国心という言葉は、意識的に使いません。
手垢にまみれているからです。
そのかわりに「祖国愛」という言葉を使い、それを広めようと思っています。
言葉無くして情緒はないのです。

これを見て思った。

愛国心」と聞くと、反発する心が出てくるけど、「祖国愛」だと受け入れられる。
何故か?を考えてみた。

愛国心」これは他人から言われる言葉なのでは?
例えば、「愛国心はないのか!?」

対して「祖国愛」これは自分の中から沸き起こる言葉なのかな?
例えば、「自分は祖国を愛してる」

他人から何かを言われるのがイヤ。
だから反発するのか?

しかし、これは逆にしても成り立つ。
「祖国愛はないのか!?」
「自分は愛国心を持っている」
だからこれではない。

では、反発する心が出てくるのは何故か?

たぶん戦争の時、「愛国心」というワードを使って戦争に参加させたという記憶やろう。

実際に言われた訳じゃないから、本や漫画や映画で知った内容やけど、「愛国心」という言葉には、「空気」を利用した「強制的」というニュアンスが感じられる。

だから「利用されたくない。自分の意思で。自由を」という思いから出てくる反発だと思う。



P.14
私は、自分が正しいと確信していることについてのみ語るつもりですが、不幸にして私が確信していることは、日本や世界の人々が確信していることとしばしば異なっております。

自分の意見は正しいが、少数派だと自覚している。



今回借りた4冊の内1冊が、
数学する人生
岡 潔  (著), 森田 真生 (編集)

その岡潔について、

岡潔(1901-1978)という大数学者がいます。
<中略>
奇行とも言うべきエピソードのたくさんある先生ですが、一風変わった主張の中にしばしば本質的なことが含まれていて、学生時代の私は深い影響を受けたものです。

同じ数学者で同じ異端児で、情緒が大切だという所も同じ。
岡潔を尊敬しているのがわかった。

それと今回借りた4冊の内もう1冊の著者も、自分のことを変わった人間だと自覚している。
その共通点が面白かった。



この「国家の品格」は累計270万部超売れたらしい。
580.9万部売れた「窓ぎわのトットちゃん」同様、これだけ多くの人に受け入れられているのに、社会は変わらない。

その原因かも、と思うことが書いてあった、

P.252
市場原理が猛威をふるっています。

だから必要なのが、情緒と形と武士道精神。

この本を読んで、山本七平の「『空気』の研究」と、作中に出てきた、新渡戸稲造の「武士道」が読みたくなった。