あなたの体は9割が細菌
アランナ・コリン
面白かった。
つまらないアメリカンジョークもなく、文章も読みやすかった。
文章に関しては翻訳家さんがよかったんやろう。
翻訳家 矢野真千子さん。
医療系の翻訳を何冊かしているみたいで、意味を理解して日本語として読みやすい形にしてくれたんやと思う。
「朱に交われば赤くなる」を科学的に説明できるようになるかも知れない。
そういった内容。
「相関関係」があれば「因果関係」もあるとは限らない。
というような、
再現性や対照群との比較、因果関係の考察といった科学的な手順
が書かれている。
他に気になった文章。
乳幼期の抗生物質投与とその後のアレルギーの発症には強い相関関係がある。
遺伝子(生まれ)は特定の状態に「なりやすいか、なりにくいか」を決めるだけだということだ。
実際にそうなるかどうかは生活様式、食事、危険要素への遭遇などの環境(育ち)で決まる。
生まれと育ちのあいだを埋める第三のプレイヤーの存在が浮上した。共生微生物の遺伝子群であるマイクロバイオームは・・・
二一世紀は感染症の脅威が終わった時代だというのに、健康であるためには微生物が少ないより多い方がいいというの奇妙な捻じれが生じている。
抗生物質がマイクロバイオータを変え、それが代謝の作用を変える(肥満)、脳の発達を変える(自閉症)、免疫の働きを変える(アレルギーと自己免疫疾患)という理論の裏付けには、単に同時に起こったということ以上の証拠を必要とする。
細菌と抗生物質について、根拠と数字を追求した本。