情緒の教育
岡 潔
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動物性の侵入を食いとめようと思えば、情緒をきれいにするのが何よりも大切で、それには他(ひと)のこころをよくくむように導き、いろんな美しい話を聞かせ、なつかしさその他の情操を養い、正義や羞恥のセンスを育てる必要がある。
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社会の秩序を保ったのは道義心があったから
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汚れた感覚は念仏をするとよくわかる
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感覚と情緒の違い
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明治に入ってからは物質主義のため情緒が濁ったから、明治娘が恋わずらいで死んだという話は聞かない。然し漱石は文学は男女の恋愛を抜くと、寂し過ぎて成り立たなくなると言っているのであるが、その漱石の『それから』を読んでみると全篇情緒であって感覚は少しも入っていない。だから非常に面白いのである。
タイトル通り教育に関することが多く集められていた。
「春宵十話」の内容も多く載っていた。