あっ草花

草や花からも気づきを得られる、そんな境地を目指して

電話のきりかた

むかーしむかし
専門学校に通ってた頃

世の中ではポケットベルが流行ってて
我も我もと持ち始めてた
オレは必要を感じなかったからポケベルすら持ってなかったけど
気の早い人は携帯を持つようにもなっていた
そんな時代

その時はオレにも仲良くしていた女性がいた
学校から帰ってもまだ話をしたいオレは彼女の家に電話をして話をしてた

その時オレはまだ実家に住んでた
電話には子機もなかった
有線の親機が1台のみ
親には話を聞かれたくないからなるべく小さな声で話をしてた

あまり長電話もアカンと思い電話するときもだいたい30分くらいと決めていた
時間になって電話を切る時
相手の女性が受話器を置くのを確認してからオレも受話器を置こうと音を聞く
切った後の「プープープー」という音がなかなか聞こえない
無音が続く
「もしもし?」と言うと返事があった
聞けば相手の女性もオレの受話器を置く音を聞いてから受話器を置くつもりだったらしい
大笑いした
その後も何回かそんなやりとりをした
楽しい思い出

社会人になってもその電話の切り方は気にしてた
携帯電話の時でも相手が切ったのを確認してから切る
固定電話の時は受話器を耳にあてたまま、指でボタンを押して電話を終わらせる
相手が連れの時は知ったこっちゃないけど

一度以前の会社の社長にほめられた
「上司の受話器の置き方が雑や」と社長が注意した
その時「築100年の切り方が完璧や」と
あの時も「見てないようで見てるもんや」と思ったもんや

こういう細かいことには気が利くようなオレ
でも肝心な所がおろそか、気づかない、知らない、わからない
だから要領が悪い、相手を怒らせる

今日会社で最後の一人になった
知らない人から電話があった
たぶんお客さん
とりあえず丁寧な対応を心がけたつもり
最後に電話を切る時、無音が続いた
「相手も同じ人種か」と思った時
ふと、昔の彼女を思い出した


新年のあいさつも無事に済み
スタートダッシュにアタフタしながら喰らいついたこの二日間

年末最後の日と、昨日と今日、副社長と専務取締役の姿が見えない
ただの長期休暇か、それとも・・・
今朝、取締役が社長に怒られてた・・・
社長ってのはたいへんだぁ