あっ草花

草や花からも気づきを得られる、そんな境地を目指して

初大きな仕事

今日、一人の営業さんが室長に話しにやってきた

「30年前にウチの会社で家を建てたお客さんおるんやけど、
今のウチの仕様は気に入らんらしい。
とにかくビニールクロスが嫌で本格木造住宅、昔ながらの家がいいんやて
ウチでそんなんできる?見積もりとれる?」という相談

少し話を聞いた室長が
「ほな築100年行っといで」と言う
もちろん営業さんも一緒やけど室長は行かないような言い方
「一人では不安なんですけど」正直に言うと
室長「大丈夫、どんなんしたいか聞いてきたらいいだけやん」

確かにそうやけど、おそらく、というか間違いなく質問も出るはず
オレでは確実に力不足
もちろん、室長のケツについていくより一人で行った方がオレの身になるのはわかるけど

営業さんが去った後
室長はオレに「今は築100年が行ったほうがいいと思ってん、だからまずは一人で行ってきて」


こっからはオレの妄想
ただの推測

室長は物知り
なんでそんなんまで知ってるの?
なんでそんなことまで知ってるの?
なんでそんなに細かく覚えてるの?
というくらい「記憶力」に関して言えば、オレが今まで見てきた一級建築士の中でもかなり上位

しかし、今度のお客さん、オレの予想ではかなりのつわもの
もしかしたら室長も同じ予想をしたのかも

まず、30年前に家を建てた、んでまた建てるか建て直すか
それだけの財力がある方

年齢はいくつやろう、おそらく60は超えてるやろうけど
今も現役で仕事をしている、そのタフさ

一度建てた建設会社にまた依頼をしようとする縁を大切にするその人間性

今の仕様が嫌やけど同じ会社に頼もうとするその姿勢は
聞いてるだけで一筋縄ではいかない、と思ってしまう。

そんな方が、「昔ながらの家がいい」とこだわりを持ってはる
これはちょっとやそっとの知識じゃ太刀打ちできないやろう
もしかしたら室長ですらわからないことが出てくるかも

やからまずはオレを行かせる
んで、調べ物があればそれを調べて頃合いを見計らって登場
ではないやろうか

室長がお客様の前で「わかりません」というのは体裁が悪いんやろう
その点オレならまだマシ
「知識不足で、帰って調べます、勉強になります」
今ならまだなんぼでも言える

オレの勉強のため
室長としての威厳を守るため

室長の出番は後がいい


瓦屋根で入母屋
土壁、漆喰
無垢のフローリング

あぁこれぐらいしか出てこない
和室なんかは
茶のことやうんちく、意味なども踏まえると確実に辞書サイズの本になる
知らないことが多すぎる

今度の日曜日初打ち合わせ

不安は大きいが期待も大きい
やっぱり建築をするなら
安く建てて売るよりも
お客様の好みを聞いて最高の住宅を提供したい