2011年3月26日 朝日新聞
茶髪・ピアスで21人不合格に
とある高校の入試で、選考基準にない頭髪や服装の乱れなどを理由に受験生を不合格としていたと、都教育委員会が発表した。
教育部長は「あってはならない事態。関係者に深くおわびする」
該当する受験生を不合格にするため、点数を最大154点減点。
不正な得点調整は2年間で61人
前校長は「学習意欲の高い生徒だけを集めようと思い、不正な選考をした」
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ちょうど同じ頃
年始にやっていたマイケルサンデル教授の録画を見た
第9回 「入学資格を議論する」
レクチャー17 私がなぜ不合格?
レクチャー17 私がなぜ不合格?
1996年にシェリル・ホップウッドが起こした訴訟を取り上げる
テキサス大学の主張は
アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)を取り入れている
学生の多様性を促進する必要があるから
成績だけではない、人種や民族的なバックグラウンドも考慮する必要がある
アファーマティブ・アクションは過去の過ちに対する償いか
あるいは
社会の多様性をもたらすものか?
アファーマティブ・アクション支持の論拠
1.是正
教育的背景の格差のため
2.償い
過去の過ちのため
3.多様性
教育的経験のため
社会全体のため
多様性とは人種だけか?という問題
自分ではどうすることもできない要因に基づいて合否判定が行われるのは根本的に不公正
ポップウッドは、自分が白人であるということを変えることが出来ないという点が彼女に対する不公正さの確信
レガシィアドミッション
親が通っていた出願者は入学において有利に扱われる
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バッキ訴訟で使われたハーバードの意見書
我々は多様性を重んじる。学術的な優秀さがハーバード大学入学審査の際の唯一の基準であったことは今までに一度もない。
アイダホの農業の少年は、ボストン出身者にはできない何かを大学にもたらす。同様に、黒人学生は白人学生にはできない何かをもたらす。全学生の教育的経験の質は、それぞれの学生に固有のバックグランドの違いやものの見方の違いに負うところも大きい。
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反論
個人の権利は侵害されてはならない
個人の権利は侵害されてはならない
問題は
ココで個人の権利は侵害又は利用されたのか
ココで個人の権利は侵害又は利用されたのか
シェリル・ホップウッドは
入学を許可されるには値しない
なぜ?
入学の資格を持つものが合格できる
それが次の
レクチャー18 最高のフルートは誰の手に
に続く
アリストテレスの考え方
最高のフルートは最高のフルート奏者の手に渡るべきである
最高のフルートは最高のフルート奏者の手に渡るべきである
すべての正義は差別を内包する、とアリストテレスは言う
素晴らしい音楽を奏でることがフルートの目的だから
これが目的論的論法
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授業の中で一人の生徒が言っていた
「含む」と「除外」
今回の件はアメリカだけに日本とは歴史・文化がまた違う
差別はアカン
でも区別はいい
合格基準を設けてそれを『含む』人が合格するのはいいが
入って欲しくないからといって『除外』するのはアカン
入って欲しくないからといって『除外』するのはアカン
『含む』はポジティブ
『除外』はネガティブ
『除外』はネガティブ
俺の中の結論
『人は見かけでも判断される』
ということを大人(今回は中学校の先生)が子供に教えていかないといけない