前回の記事今週の振り返り - あっ草花で書いた
「こうした方がもっとよくなる」ということはいくつかあるけど、郷に入っては郷に従え、しばらくというか、当分というか、聞かれるまで何も言わないようにしなければ。
について一度まとめておこうと思う。
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一つは、今の主な仕事である、紙袋の内職について。
紙袋の底に厚板を入れて、袋の端を折って、折り目を基準に中に折りこみ、折ったところに厚紙入れて、穴を空けて、そこに紐を通して、紐の端を結んで長さを揃える。
ざっと書いて7工程。
これ以外にもこの流れに組み込むための準備作業がいくつかある。
この7工程全部をできる利用者さんがいるのかはわからないけど、一部分しかできない人が多いみたい。
だからこの工程は〇〇さん、この工程は△△くんといった具合に振り分けするのが支援スタッフの仕事の一つ。
それを先輩スタッフさん達は器用に振り分けしているが、自分から見たら「わかっている人にしかできない」と感じる。
製造業で働いたことのある自分としては、5S3定(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)(定位・定品・定量)を守ればもっと管理が簡単になる=入ったばかりの支援スタッフでも管理ができるようなると思った。
でも口出しはしない。
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もう一つは、その内職自体について。
7工程+その他準備も含めて、1つの紙袋を完成させて2~3円らしい。
慣れた支援スタッフがやったとしても、たぶんゼロから完成までやったら1つ30秒はかかるんじゃないかな?
仮に30秒としたら、1分で2個、60分で120個×3円としても=時給360円。
健常者であってもこの時給になってしまう。
だからできない工程があったり、集中力が続かない利用者さんにお支払いする月の工賃が5,000円ほどというのも納得できる。
ただ、難なく作業している人もいる。
集中力が続かないから長くはもたないけど、もう少し難しい作業=もう少し時給がよくなる作業をお任せ(用意)してもいいのでは?と思っていた。
そういう仕事をこちらが準備できるかはまた別問題。
ただ、これをするためには、誰が何をできるのか?のチェックシートが必要と思った。
入ったばかりで自分はほとんどわからないけど、先輩支援スタッフさん達はわかっている。
けど、本人がどれだけわかっているかもわからないし、ご両親もそうやろう。
だから工程ごとに細かいチェックシートを作り、誰は何がどれくらいできる、というのが一目でわかれば、入ったばかりの支援スタッフのためにもなるし、利用者さんが更に上を目指す動機になるかも知れないと思った。
それに関するいくつかの記事を集めた。
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「就労継続支援B型」とは?
「就労継続支援B型」とは?制度の仕組みから開設の流れまで解説 | はたらくBASE
事業の目的は、就労継続支援A型や就労移行支援に移行できるような訓練を積むことです。
だから「就労継続支援B型」に通わせ続けることを目的にしてはいけない。
「就労継続支援B型」を卒業して「就労継続支援A型」や「就労移行支援」に移行したい利用者さんにはその道筋を見せてあげたほうがいい。
そのためにもチェックシートがあった方がいい。
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訂改版・就労移行支援事業所による就労アセスメント実施マニュアル
カウンセラーはクライエントの自己理解促進に努める必要がある。
これよね。
就労支援スタッフは、利用者さんが自分のことを理解する手助けをする必要がある、ということよね。
それにもチェックシートがあった方がいい。
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そう思っていたら見つけた。
就労アセスメントを活用した障害者の就労支援マニュアル
障害者就業・生活支援センター モデル事業報告書
厚生労働省
就労継続支援B型事業の利用を希望する者については、就労移行支援事業所等が就労面のアセスメントを行うことが必要となる場合があります。
改訂版・就労移行支援事業所による就労アセスメント実施マニュアル
アセスメント(assessment)とは、「査定する」や「評価する」といった意味を持つ言葉です。
障害のある方が働こうと思ったら、「就労移行支援」で評価してもらう方法もある、ということ。
「就労移行支援」で評価してもらって、一般企業の障害者枠で働くのか、「就労継続支援A型」なのか「就労継続支援B型」を判断してもらう。
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これから「就労アセスメント」は「就労選択支援(仮称)」になっていくみたい。
「就労選択支援」を新設 障害者総合支援法改正へ | 労基旬報オンライン
障害者本人の希望に応じて、能力などに合致した一般就労と福祉サービスの事業所の選択を可能にする。
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その理由がこれ。
障害者の就労能力や一般就労の可能性について、障害者本人や障害者を支援する者が十分に把握できていない為、適切なサービスに繋げられないのではないかという指摘がある。
厚労省は、雇われて働く能力や意欲があるのに、漫然と福祉サービスの利用にとどまる人がいると判断。本人の目標や望ましい就労環境を明確にして、本人の選択を支える必要があるとみているそうです。
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つまり、利用者さん(障害者本人)の何ができるのか?という能力を、支援者が理解できていないから、更に上にいける人を見逃しているのでは?ということやと思う。
それを解決するための方法が、何ができるのかというチェックシート。
それでいいと思ったのが、
改訂版・就労移行支援事業所による就労アセスメント実施マニュアル
この4~5ページ(利用者さん用)と7ページ(支援スタッフ用)、63~79ページの記入用紙。
後は、事業所ごと、仕事内容に応じた細かい工程とそれに合わせたチェックシートがあればいい。
そうすれば、どれができてどれができないや、後は何ができるようになれば次は何がある。
ということが一目瞭然になり、向上意欲のある人にとってはもってこいの体系になると思う。
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問題意識を持っている「就労継続支援」で働く人たちはその先に進んでいる。
大阪:働く喜び ゲーム作りで:地域ニュース : 読売新聞オンライン
2022/03/07
元々は清掃や軽作業を担う一般的な事業所だったが「自主的に生き生きと働ける場所にしたい」との思いから新分野に挑戦。昨年、「第1弾」となるスマホ向けゲームを開発した。
以前から、ともすれば通所してもらうことが目的になっている事業所の状況に違和感を覚え、「仕事をさせられるのではなく、利用者が積極的に取り組めるような新しい切り口はないか」と考えていた。「福祉の側面に偏りすぎることなく、バリバリと仕事をしてもらえる環境を作りたい」
2022/04/04
単純な軽作業が中心となってしまいがちな事業所の実情です。就労はできるけれど「やりがい」を見つけるのが難しく、そうすると「将来」も見えないのが問題でした。
そこでウィン―ウィンの関係を目指し、職人たちが利用者に「誇りを持てる仕事」を提供、利用者には業界の担い手になってもらうのがNPOの取り組みです
障害者と農業をつなぐ「農福連携」という言葉は知られるようになりました。これからは「産福連携」も重要になると思います。
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利用者さんには難しい仕事かも知れない。
でもそれを決めつけてはいけない。
なぜできないか?どうすればできるようになるか?それを支援するのも就労支援スタッフの仕事だと思う。
だから、もっと工賃がよくなる仕事を用意して、できる人、目指したい人はその仕事に携わって貰えるような環境を整えた方がいいと思う。
でも、これも言わない。
まずは自分の仕事を覚えよう。