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SDGsを学ぶ 国際開発・国際協力入門 本

SDGsを学ぶ 国際開発・国際協力入門



高柳 彰夫
大橋 正明


図書館に行ったついでに借りた本の内の1冊
SDGsベーシックインカムはネットで十分かなと思っていた
けど「面白くなければ読まずに返せばいい、ついでだから」と借りた


借りてよかった
面白かった
教科書なのかな?
わかりやすかった


・・・・・・・


P.45
SDGsのゴール1は、この深刻化する日本の貧困率を2030年までに半減することを求めている。
残りはもう10年間ほどしかないので、とても実現できるように思えない。
なぜなら日本政府のSDGs実施本部が2016年に定めた指針は、英語でPで始まる8つの優先課題を選んでいるのだが、その中にProsperity(繁栄)を二番目に挙げているが、Poverty(貧困)は含んでいないからだ。

目標に入れていないのだから、しようとは思わないやろう


P.45
現在の生活保護制度はこの相対的貧困世帯の僅か21.0%しかカバーしていないことになる。

しようと思わないんやから、上がるはずもないやろう
この続きに実現方法が書いてあり
こんなことで、日本はいいのだろうか?
とあった
ここを読んで、この本はただのSDGsの紹介本ではないと思った


P.97
私たちは何をすべきだろうか。
第1に、私たち自身が実態を把握し、課題を可視化するために、ジェンダー統計の徹底を促すことができるだろう。

この第4章が「ジェンダー・平等」やから「ジェンダー統計」とあるが、全てに共通すると思った


P.107
国内不平等にしても「所得下位40%層の所得増加率を全国平均よりも高く維持する」(10.1)といった願望が、どのように実現されるのかも定かではない。

目標があっても動いていないということ


P.109
「デフレ」と呼ばれる構造的な低成長に対して、
<中略>
政府は国籍を無限発行し、財政赤字分を積み増して経済に投入する。
<中略>
だが、政府の赤字が積み重なるほど、人々の将来不安という黒雲が増え、人々は消費を抑えて将来の破局に備えるようになる。

これよこれ
経済の数字だけを上げようとするから無理が出てくる


P.109
不平等の前提となる「格差」の進展についても、SDGsではいくつかの数字が列挙されるが「なぜそうなるのか」の分析が欠けている。
だから、不平等是正の道筋も示されない。

なぜ妊娠しにくいのか、なぜ晩婚化が進んだのか、なぜ共働きが増えたのか、なぜ子宮頸がんは増え続けているのか、なぜ前立腺がんも増え続けているのか、なぜ生涯未婚率が増えたのか、なぜ収入が少ない人が増えたのか、なぜ不安定な生活が増えたのか、なぜ自己評価の低い若者が増えたのか
の分析が欠けているから不妊治療も少子化対策も道筋が示されない


この本が、ただのSDGsの紹介だけではないと一番思ったのがここ
P.113
そのため、SDGsという国際公約をタテマエ上では尊重する姿勢を見せながらも、SDGsの実現に日本としてどう貢献できるか、という積極的な発想は見られない。


その後、実施指針が書いてあり、その後に、その内容(程度)


それをどう実効ある形で総合的に推進する(推進できる)のか、という切実な問題への目配りが欠けていることである。


つまり、絵に描いた餅


文句だけで終わらないのがこの本のいいところ
P.115
政府がもし、真剣にSDGsに取り組むのであれば、<中略>等に取り組むべきである。
と、具体的な方法も書いていた


P.117
これらの「世界から見たもうひとつの日本像」を見ると、借金のない成長、ディーセント・ワーク、不平等の是正は、先ず日本自身の課題であることが理解される。

ベーシック・インカムは「不平等の是正」解決策の一つになると思う


P.246
なぜSDGsに取り組むのか。「持続不能」の病にとりつかれた世界を生き延びさせるためには、そして同様に持続不能に直面する自国の社会、経済、環境を修復し、破綻を回避して次世代に引き継ぐためには、ほかに道はないからである。

後がないのは「世界」


P.249
日本が直面する「持続不能」の最大の課題は、少子高齢化に伴う人口減少である。


まとめ
SDGsの内容紹介、日本の現状、問題、できること、すべきこと、方法が書かれていてとても勉強になった